宮崎県三股町のA様から「天井板がたわみ雨染みも目立つので張り替えてほしい」「外からの目視で屋根が下がっているので小屋裏の状況を点検してほしい」とご相談をいただきました。天井材には雨漏りが原因のシミとたわみが点在。まず雨漏りの原因調査と根本的な修復・補強を行い、そのうえで天井板を張り直しました。
01.「雨漏りによる天井のシミ」
既存天井材には雨漏りが原因のシミが点在。表面的な補修だけでなく、原因箇所の補強と貼り替えを行います。天井貼り替え工事の前準備として足場を整え、解体時に舞うホコリや木屑から床を守るために養生板とブルーシートを敷設。養生は作業全体の品質を左右する大切な工程です。

02.解体スタート
工具を使い既存天井の解体を開始。

03.母屋のたわみ(5cm下がり)
梁(梁・母屋・小屋束・垂木)など構造材が露わになり、状態を直接確認できる段階へ。主要構造材である母屋が約5cmたわんで下がっているのを確認。外からの目視で確認した屋根のたわみ・下がりは【母屋】の下がりであることが分かりました。放置すると天井面が不揃いになり、荷重バランスにも悪影響を及ぼすため、修復が必要です。

04.原因の調査
天井裏に入り、たわみの原因を調査。継手(木材同士の接合部)のズレが主因であることを確認しました。

05.補強資材と工具
たわみ矯正に使用する、ジャッキ、ヒノキ製クサビ(接着剤併用)、カスガイ(金物)、短冊プレート金物(厚物)などを準備。

06.ジャッキアップ作業
ジャッキで母屋の継手部分を少しずつ持ち上げ、元の高さへ復元していきます。急激に上げると割れや歪みの恐れがあるため、慎重に行います。

07.たわみの解消完了
上げ直した継手を短冊金物で両面から固定。厚みのあるプレートを使い、せん断力と引抜きに備えます。母屋と小屋束の間にクサビを打込み、接着後カスガイでがっちり固定。木材同士の密着度を高め長期的な安定を確保します。ジャッキアップと補強により母屋のたわみが解消されました。

08.新しい天井板の施工
構造補強後、仕上げとして天井板を新規に貼り付け。本来の水平な状態に戻り、美観と機能が両立した天井に生まれ変わりました。

09.Before / After
